「先輩っ、どういうことですか!?」
「はあ?」
「だって、わたし以外にもつきあってる人がいたなんて……」
「バカなの? そんなんオレの勝手じゃん?」
「そんな、ひどすぎる……!」
「うっせーなあ、こっちこそ、てめえみてえなオンナとつきあってやったんだぜ? 何が不満なの?」
「……」
「だいたいおまえ、鏡とか見たことある? それ確認してから彼氏とか作ったら?」
「……ひ、ひどい……」
「は、泣けばいいと思って。チョーうざいんですけど?」
「うわーん!」
「ま、オレとつきあうだけの価値のある人間にでも生まれ変わるんだな」
「うう……」
「じゃ、バーイ」
「待て待ていっ!」
「な、なんだよオッサン」
「われこそは名奉行・王岡一善守正助である!」
「な、なに言ってんの? 頭大丈夫かよ?」
「女子をもてあそぶ男のクズめ! このわしがしかるべき裁きを下してくれる!」
「ああ、なに? うざいんですけど?」
「問答無用! 食らえ! 王岡裁き・マタタビの刑じゃあっ!」
「ぎゃおーっ!」
「せ、先輩!」
「ああ、これは……オレが、ネコに……うわーっ!」
「ああ、なんてこと! 先輩がネコになってしまったわ!」
「にゃーお!」
「ふとどき者め、これからはネコとして生きるがいい!」
「お奉行さま! ありがとうございます!」
「そなたも今後は、悪い男に気をつけるのじゃぞ」
「はい!」
「これにて一件落着!」
「なんて、素敵な方……」
(終)
エンディング・テーマ「名奉行・王岡一善」(作詞:朽木桜斎)
人生なんてクソくらえ
リア充なんて死ねばいい
ムカつくヤツらに鉄槌を
誰が下してくれるのか
それはその名も名奉行
王岡一善しかおるまい
天下に名だたる裁きにて
勝ち組どもに粛清を
転がるバカを笑いたい (※)
心の底から笑いたい
ああ名奉行名奉行
王岡一善ここにあり
(※)繰り返し