ダークファンタジー

詩集 ある世界主義者の憂鬱

世界は一冊の小説だ
その小説はファンタジーだ
だから世界はファンタジーなんだ
みんなは読むのに大忙し
書いた人には目もくれない
人間よりも世界が大事
世界はダークファンタジー

僕は毎日学校へ行って
先生たちから世界を教わる
全部ファンタジーなのに
教科書なんて読みあきた
なんて退屈なファンタジー小説
あくびをしてたらしかられて
世界はダークファンタジー

パパは毎日会社へ行って
ルールにモラルにハラスメント
全部ファンタジーなのに
上司にしかられ部下には陰口
ファンタジーも楽じゃない
家に帰れば僕に当たって
世界はダークファンタジー

ママは毎日おつきあい
ご近所さんに町内会
ファンタジーの読書会
あなたのためだと小説読んで
ファンタジーの読み聞かせ
もううんざりだこの世界
世界はダークファンタジー

今日も今日とてファンタジー
世界は今日も変わらない
変えようとするのは不真面目な読者
先生もパパもママだって
口をそろえてファンタジー
息苦しいけど読まないと
世界はダークファンタジー

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