光の園

詩集 ある世界主義者の憂鬱

鉄格子の向こう側に桜の大輪が咲いている
ほの暗いスポットライトは踏みつけられた花びらを照らし出して
作られた天国に虫たちも大騒ぎ
きっとここは光の園なんだ

獣も遊び鳥たちも囀って
なんて愉快なところだろうか
ときどき黒い太陽が笑うけれど
ここは光の園なんだから

うれしさあまって毒虫も這い出した
桜の木の下は居心地がいいよと
そしたら蝶々はしかめっ面して
なんだか濁ってきたよ光の園が

パーティーは終わってさあさよならだ
後片づけはしっかりやってよね
檻の中をきれいにしたら
またおいでよ光の園へ

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